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月食

シスター ルース 森

月食

  思いがけなく、1119日に、「ほぼ皆既月食」と呼べるという、140年ぶりの深い月食を、東山の山稜ちかくに見てから、日没後の空をみあげて、月の所在や星々を確かめるようになりました。私たちの地球をめぐるこの月に、70年前(1969年)、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号から、この月に降り立った宇宙飛行士(アームストロング船長とオルドリン飛行士)のことか思われました。そして、特に、月を周回する司令船に残って、月面に一歩をしるす栄誉をこの2人に譲ったもう一人の飛行士、マイケル・コリンズのことが思い出されました。司令船が月の裏側に回ると、交信が完全に遮断され、人類が誰も経験したことのない彼の「孤独」、そして、共におられる「神」の体験に心が打たれました。飛行士退任後はワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館館長として働き、晩年には、「指導者たちが宇宙から地球を見れば、考え方が根本的に変わるはずだ。」と語っていた彼の言葉から、ふかく地球を愛し、地球環境の悪化を心配する彼の切実な心が伝わってきます。

最近は国際宇宙センターでの様々な取り組みに加えて、民間宇宙企業の貢献も目覚ましく、宇宙のすばらしさを一層知るにつけ、全ての存在への尊敬、そして、私は限りある人間として、詩篇19の「天は神の栄光を語り、大空はみ手の業を告げる」と歌っている自分に気づきます。

仏教徒で俳人である親しい友の「銀杏散る空の芯より降って来る」という俳句が心に響いているこの頃です。