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シャロームメモ34

シャロームメモ

2021.9.15

第34号

  • 「シャローム平和のための祈りのセンター9月の意向」を共に祈りましょう

「シャローム平和のための祈り」は世界中のSSNDが毎月の各日に交代で担当している、世界平和のための祈りです。日本の担当は毎月の23日です。4月20日に行われたSSND日本将来計画会議の決定により、「シャローム平和のための祈り」を日本の4共同体が月交代で担当することになりました。(「お知らせ」2021-28 4.28発行 参照)今月は本部修道院の担当です。

10月は岩倉修道院の担当になります。共同祈願の締め切りは10月15日(金)ですので、よろしくお願いいたします。

各祈りの後に全員で右を唱えてください。「主よ、私たちの祈りを聞き入れてください」

●貧しい人の叫び、その中でも貧困状態にある子どもたち、実に 7人に1人の子どもがその状態にあります。日本国内で「水で空腹をしのいでいる」、又「十分な食事が毎日取れていない子ども」がいます。成長期にある子どもたちのいのちが脅かされ、心身の発達にも影響があります。早急に支援体制が拡充され一日も早く子どもたちに十分な食事を与えて、安心して生活ができますように子どもたちをお守りください。

●環境悪化の問題から私たちのライフスタイルの見直しが迫られている今日、いのちの尊厳に対する目覚め、正義と平和を確立するための努力、自分自身から出て他者へと向かう、そして自己中心性を打ち破るという基本姿勢を新たにしていくことができますように。

●私たち一人ひとりが心の耳を傾けて “共通の家”である地球の叫びを聴き、環境保全のため行動し、神からの賜物である被造界を大切にしていくことができるよう、あなたの知恵と勇気をお与えください。

●恵み豊かな神よ、今日一日の祈りと仕事を通して撒かれた種が、永遠の実りを結びますように。

●私たち人類は、過去数百年に亘って、自然のシステムの許容範囲以上に自然が生み出す豊かな産物を人間の欲望を満たすべく必要以上に乱獲し、世界の人々のニーズを考慮しないで、人類の一部の人々によって、自然をほしいままに支配してきました。エコロジカルな教育を通して、私たちが今日の自然破壊の現実を直視し、見直し、自然の生み出す本来の平等で、調和のとれた製造と消費のパターンへと立ち返り、共に協力し合って持続可能な世界を再生していくことができますように。

●9月10日から16日は、自殺予防週間でした。悩み苦しんでいる人々が希望と勇気をもって生きていかれますように祈ります。

●コロナ・パンデミックによって私たちの生活や世界経済は脅かされ、富の偏在が深刻になってきています。多くの企業が廃業に追い込まれ、種々の問題を引き起こしている現実は身近な出来事です。経済的格差、社会不安、家庭崩壊、外国人労働者、テレワークなどにストレスを感じ、精神的に行き詰まる人は益々増えています。民主主義とか、自由経済と言われた時から、今やナショナリズムと独裁主義、しかも分断、不透明な時代に経済界も深い傷を負っています。経済界を左右する社会の営みは雇用や労働や教育にも格差をもたらし、人としての尊厳さの意味を失い、路頭に迷っています。生活資金をもたらす経済を一部の人の特権にするのではなく、それを共通善へと向かわせ、命ある全ての被造物に行きわたり、必要なものを分かち合う寛大さを実践することができますように。

2.「自殺大国日本」を脱却するためにできることは何でしょう

 9月10日から16日を日本では自殺予防週間と定めています。

 国の自殺率は国民の幸福度を測る重要な指標と言われますが、日本の自殺率(人口10万人に対する自殺者数)は18.5人で世界第7位、G7(主要先進国 フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の中ではトップという残念な結果になっています。

 日本の自殺率が世界の中でこれほど高いのはなぜでしょう。日本では、『自殺は個人の問題』とタブー視され、国としての取り組みが立ち遅れたことに大きな原因があると考えられます。

 日本に『自殺対策基本法』ができたのが2006年、その翌年に『自殺総合対策大綱』が発表され、ようやく国としての具体的方針が明らかにされました。日本は、自殺を社会の問題として取り組み始めてまだ15年しかたっていないのです。

 2004年から日本の自殺問題に取り組み始め、2006年にできた『自殺対策基本法』の立案にも関わった清水康之さん(NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表)によれば、人が生きることには以下のような促進要因と阻害要因があります。

 生きることの促進要因

 将来の夢/家族や友人との信頼関係/やりがいのある仕事や趣味/経済的安定/ライフスキル(問題対処能力)/信仰/社会や地域に対する信頼感/楽しかった過去の思い出 など

 生きることの阻害要因

 将来への不安や絶望/失業や不安定な雇用/過重労働/借金や貧困/家族や周囲からの虐待、いじめ/病気や介護疲れ/社会や周囲に対する不信感/孤独 など

生きることの阻害要因がどれほど大きくても、生きることの促進要因が、阻害要因を上回るならば、自殺のリスクは高まらないということです。

 1997年に山一証券など大手金融機関の経営破錠が相次いだ時、それまで2万2千人台であった日本の年間自殺者数が一気に1万人近く増加しました。それ以来3万人台が続いていますが、今またコロナ禍のため、当時と同じような状況になりかねないと危惧されています。

『生きることの阻害要因』に追い詰められ、自殺を選ばざるを得ない人々、身近な人を自死で失う人々の苦しみはどれほどのものでしょう。この苦しみを私たちが自分のものとして共に祈り、日本社会を苦しむ人々に居場所を提供できる場とするために行動できますよう、導きを願って祈りましょう。

4 今年の9月26日は「世界難民移住移動者の日」です

 9月の最終日曜日は世界中の難民、移住、移動者を特に心にとめ、祈り、行動する日です。

今年は第107回目になります。今年のテーマは『さらに広がる“私たち”へと向かって』です。

教皇フランシスコが、間もなく日本語訳が出版される新回勅『兄弟の皆さん』(仮題)の発想から採られたものです。

神の天地創造の思いについて、旧約聖書にはこのように書かれています。「神はご自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。神は彼らを祝福していわれた。『産めよ、増えよ』」(創世記1:27-28)

神は、世代を重ねるごとにより大きくなる定めにある「わたしたち」をともに形づくるために,わたしたちを男と女に、異なっていて補い合う存在として創造されました。神はわたしたちをご自分にかたどって、一にして三位の存在、つまり多様性の一致であるご自分の似姿として創造されたのです。(第107回「世界難民移住移動者の日」教皇メッセージより)

世界人口の1%が故郷を離れざるを得ない状況に置かれている現在、今年の「世界難民移住移動者の日」が、私たちにとって、難民・移住・移動者を「彼ら」ではなく、「わたしたち」とする一歩を踏み出す日とすることができますように祈りましょう。

5. お知らせ

 ⓵ 10月も≪連帯の省察≫はありません。各共同体で『ラウダートシ行動計画』の7つの省察の分かち合いをまとめ、10月20日までに英訳も添えてのご提出をよろしくお願いします。

  • 10月2日(土)に『9条京都の集い2021』が開催されます。同封のチラシをご覧ください。

京都駅南口、アバンティ―ホール9階です。コロナ感染対策を講じ、定員の4分の1の人数での開催となりますので、緊急事態宣言が解除されていれば、是非参加をご検討ください。