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バジル

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バジル

  毎年、春、私は苗屋さんで バジルの苗を1パック買って、すこし大きい植木鉢で育てます。大きく育った葉を摘んで、薄力粉を少し加えた強力粉、粉ミルク、砂糖、塩、バター、イースト、水と一緒に、パン焼き機に入れて、薫りたかい バジルパンを焼くのです。今年のパックには5本の苗が入っていて、異常な暑さのせいか、驚くほどの速さで大きく育ち、使いきれないほどなのです。

  ところが、5本の中の1本が育ち遅れたようで、仲間の根元で、なかなか伸びません。それなのに、しばらくして気づくと、小さいままで、いくつかの花をつけ、あるものは実になり始めているようです。年の黙想で、10日間の留守から帰ってきてみると、尖った鉛筆の先ほどの小さな種が落ちています。拾い集めて小さな鉢に蒔いたところ、おどろいたことに、3日目に芽が出たのです。少し大きくなった時、プランターに植え替え、1か月後には、もう、その葉でバジルパンが焼けたのです。まるで神さまの手品を見たような思いがしました。

   暑さはまだ続き、また、今年の冬の寒さは厳しいだろうとも聞いています。その中でも人々が新たな発見をし、その小さな気づきが人々の喜びとなり、人々を幸せにするものとなっていきますようにと祈っています。