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セントポーリア

シスター ルース 森

セントポーリア
  先日、友人からセントポーリア(アフリカスミレ)の鉢をいただきました。直径7センチほどの小さな鉢に、古代紫の地に白い縁どりのある八重の花を10も咲かせ、蕾もたくさんつけています。地味なうちにもどこか華やいだこの花を眺めていて、短い間ですが、アメリカの同じコミュニテイで生活した1人のシスターのことが思い出されました。
  このシスターの趣味はセントポーリアを育てることで、愛好家グループにも属していました。セントルイスにはショーズ・ガーデンというりっぱな植物園があり、セントポーリアの大きなコンテストも催されます。シスターのグループはこの植物園で例会を開きます。私はこの同好会から、メンバーたちが例会をしている間に、日本の生け花をいけて、見せてほしいと頼まれたのです。メンバーのうちに、花器や生け花の道具と広い庭で育てた花材を売る店をもつ人がいて、店のものは何でも使っていいし、根元から切り取るという条件で庭の花材をなんでも切ってよいと言われ、私は思いのままに、10鉢もの生け花を紹介できたのです。ちなみに、この同好会に招かれる講師のお礼は、1回が25ドルだそうで、2回小さな花展をした私は合計50ドルいただいたのです。
  去年、セントルイスのケアーハウスに住むこのシスターを見舞うことができたのですが、2人ともセントポーリアのことも私の小さな花展のことも思い出しませんでした。けれども、この花によってもたらされた絆と喜びは、今も私たちの中に生きています。