ペチュニア
ペチュニア
手術後の不安をかかえながら退院した2月末、修道院の郵便受けに私宛のうすい封筒がはいっていました。時折、花の話をするご近所の女性からで、表に「ペチュニアの種」と書いてあります。中には小さなプラスチックの袋に小さく乾いたガクが1つとヌカのような粉がほんの少し入っています。とても種とは思えません。
1,2週間もたって、やっと蒔いてみる気になり、ありあわせの植木鉢の土のところどころに、ふりかけるように蒔いて、表面の土が乾かないように毎日、水をやりながら半信半疑でした。ところが、4月初め、土のくぼみの一カ所が青みがかってきて、いっせいに芽吹きがはじまり、やがて鉢一面がペチュニアの苗でおおわれました。すこし大きくなったものから3つの鉢に移植し、6月のはじめ、初めて純白の大きな花を咲かせ、あわいピンクから濃いピンクまでの美しい花々が毎日やさしく咲き継いでいるのです。
今朝、毎日新聞に、日本薬科大、薬用植物園長の船山信次氏が、「美しい花をみて、きれいと思った瞬間、花は心の薬になる」と書いておられました。このペチュニアは私にとって、ほんとうに神さまからいただいたお見舞いの花束でした。また、ビクトール・フランクルの「『信じる』ことには根拠がないが、『信じる』ことは決断であり、『信じる』ことを真実とする。」という言葉を思いめぐらす機会となりました。