ある雨の日
友達から連絡があり出かけました。
「子供も夫も捨てて家を飛び出したい‥‥でも何とか留まっている」という話でした。
雨の中、お寺の縁先に座ってずっと聞いていました。
揺れに揺れる心のバランスを取り戻すため、色々な事は考えず、日常茶飯事の小さなことをただ、ただ、心を込めて行うように努めているという事でした。
食器洗い、掃除、洗濯などをひたすら心を込めてするように努めた結果、やっと心が静まってきたそうです。
そして、最後に
「こういうことがあると、もののあはれ がわかるようになるわね。」と寂しく笑っていました。
日々の小さなことを心を込めてすることが、どれほど難しいことか、
また、それがどれほど人を強くすることか‥‥。
良い友達を持ったと心から思いました。
もう、20年以上も前の話しです。