金木犀花
金木犀花
9月の半ば頃になるとどこからともなく漂って来る芳しい香りで急に存在を感じさせるようになる植物があります。金木犀です。暫くすると5ミリほどの黄色の小さな花がぽつぽつと目に付き始め、やがて樹全体がその花で覆われるようになります。それはまるで全体が金に覆われたかのように見えます。そこに名前の由来があるのでしょう。花が咲き始めるまでの半年近く、その樹はただ固い緑の葉に覆われています。新約聖書エフェゾの信徒への手紙の中に次のような箇所があります。
「キリストは香りのよい供え物としてつまり生贄として私達のためにご自分を神に捧げられた。」と。別の個所では「キリストを信じる者はキリストの助けによって霊の恵みである愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制を生きる力、を頂く」とも記されています。
この頂いた恵、キリストを感じさせる香りを、私は漂わせているかしらと思いました。香りを放つようになるまで長い時間を要する金木犀のように、例え時間がかかってもキリストの香りを放つようになりたいと願いました。
地球温暖化がいろいろな面に影響を及ぼしている昨今、金木犀は何時頃から香り始めているかしらと気になっています。
(シスターパトリシア 久野)