新種の桜
新種の桜
今朝のラジオで、桜前線が北海道の網走に到着したことをしりました。今年は、コロナヴィールスの感染拡大で、例年のように美しく咲いている桜の花をゆっくりと眺めてすごすこともできませんでした。花の季節が終わって、すっかり葉桜になった木々を遠くに眺めながら、赤ちゃんのハイハイと同じ時速1キロの速さで北上するという桜前線がどこまで行っているのだろうかと気になっていたのです。南北に連なる日本列島をピンク色から緑色にそめてゆき、行く先々で人々を心から楽しませながら北上する、変わることのない自然の壮大な営みに感動したのです。
そして、桜の花の季節を見逃がしてしまったような気分から抜け出せないでいたときに、これもまた、ラジオの朝のニュースが私を喜ばせてくれました。100年ぶりに桜の新種が三重県の山中で見つかったというのです。山桜に似て、気品のある薄桃色の花、葉はすこし小ぶりの4~8センチ、葉の裏が薄緑色の新種の桜木、すでに苗が大人の背丈ほどに育っているとのこと。そして、世界遺産の熊野古道にちなんで「クマノザクラ」と名付けられたとのこと。交配で生まれたものではなく、自然のなかでの100年ぶりの新種の発見だということが、地球の、かぎりない豊かさにあらためて気づかせ、世界が前例のない危機のなかにある今、私の心に明るい希望のひかりをあたえてくれています。