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「お陰さまで」

シスター ルース 森

お陰さまで」
 何年か前、韓国のソウルで3週間過ごしたことがあります。韓国の文化を知り、人々と交わって、韓国語を習いたいという私の願いを、シンスドン教会で働く2人のシスター方が聞き入れてくださり、私一人のために充実したスケジュールを立ててくださいました。
修道院では院長のシスターが毎朝、「チャル チュムショソヨ?(よくお休みになりましたか。)」と尋ねてくださいます。私はいつも「チャル チャッソヨ。(よく寝ました。)」と答えていました。ある時、知人にこの話をしたところ、彼女は「そういう時は、トプネ(お陰さまで)を付けて答えるのがよい」と教えてくれました。翌朝、院長様が「チャル チュムショソヨ?」と尋ねてくださったとき、私は早速、「トプネ チャル チャッソヨ。」と答えました。院長様は「『トプネ』を習ったのですね。」といって、ことのほか喜んでくださいました。
 最近ふと、この出来事を思い出して、愕然としました。私の生活の中で、「お陰さま」でないものがあるだろうかと思ったのです。無一物で生まれてから今まで、父母をはじめ、多くの人々のお陰で生きてきました。そして、命は神さまから頂いたものです。私に存在を与え、私の人生に関わり、ともにいてくださる神様、そして、これまでに出会った人々、これから出会う人々や物たちに、「お蔭さまで」と感謝しながら、日々を過ごしたいと強く願ったのでした。