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シャロームメモ 第41号

シャロームメモ

2022年5月11日                                   

第41号

[ 1 ] 5月3日は、日本国憲法施行75年目の記念日でした 

  長引くコロナ感染の蔓延、エスカレートし続けるロシアのウクライナ軍事侵攻などの世界情勢を受け、「国家の危機時に政府に権限を集中させる≪緊急事態条項≫を憲法に書き込む必要がある」という見解が政府与党を中心に広がっています。このように安保情勢が厳しくなっている世界状況下で、憲法9条の平和主義は果たして機能するのかという懸念もあります。

5月3日には、全国各地で憲法改定の是非について、見解を述べ合う機会が持たれました。以下に何点かそのポイントを掲げます。あなたはこれをどう読みますか?世界にキリストの平和がもたらされ、神の似姿に造られた人間一人一人の尊厳が保たれるために、憲法がどのようなものでなければならないと思いますか。祈り、考え、話し合ってみましょう。

  • 現行の憲法は占領軍に押し付けられたもの。日本独自のものを作るべき。
  • 日本国憲法の9条は、国連憲章と同じ思想に立ち、日本だけでなく、全世界の国民の平和的生存権を認め、力による支配の排除を前提にしている。
  • 軍拡は軍拡を呼び、人のいのちを奪う。終わりがない。戦争は絶対悪。最終的な世界の平和は対話によってしか実現されない。
  • 2つの世界戦争を経てたどり着いた日本の平和憲法は、今日の世界の最先端にあり、宝である。日本国民にはこの宝を再認識し、世界と共有する努力への責任と使命がある。
  • 憲法に≪緊急事態条項≫を書き込むことは、ヒットラードイツの時のように、独裁政治に道を開く恐れがある。
  • 施行後75年経つ憲法は時代にそぐわない。改定の必要がある。
  • 憲法が示すものは社会の動きの原理・原則であって、時代によって変わる部分は法律の改変によって対応するもの。例えば憲法14条では、性別による差別を禁じ、24条では両性の平等と個人の尊重を強く謳っている。日本がこの憲法条文を具体的に生きるためには、まだまだ法律の多面的改変と実施が必要である。

[ 2 ] 5月15日は沖縄の本土復帰50年にあたります 

1951年サンフランシスコ平和条約締結によって日本が独立を果たしたとき、沖縄は米軍統治下に留まる決定がなされました。米軍は、言語も文化も制度も異なる沖縄に、琉球政府をつくり、ある程度の自治を認めましたが、それはあくまでも≪米軍の軍事的必要の許す範囲において≫だったのです。その後東西冷戦期に沖縄は、朝鮮戦争やベトナム戦争の主たる出撃基地となりました。そして日本が経済の高度成長を果たし、本土内に米軍基地反対運動が広がると、本土にあった米軍基地のかなりの部分が沖縄に移設され、日本全土の0.6%に満たない沖縄県に、在日米軍基地の7割が存在する結果になっているのです。

沖縄本土復帰50周年にあたり、沖縄県知事玉城デニー氏は県民の意見を募り、有識者会議の提言を受け、県議会として復帰50年を迎える沖縄の今後への展望を次の4点にまとめました。沖縄県は日本復帰50年にあたって、この建議書を日本とアメリカの政府に提出する予定です。その4点は、①自立型経済の構築、②基地のない平和な沖縄の実現、➂アジア太平洋地域に平和をつくる積極的役割を果たす、④独自の歴史と多様性を持つ沖縄の最大限の活用、というものです。

沖縄の人々が願うこの未来像が一日も早く実現することを心から願いますが、現実はかなり厳しいものです。中国が軍事力を増強し、南シナ海、東シナ海に展開しつつある今、沖縄の米軍基地は再び中国封じ込めの最前線の役割を担うことが期待されています。沖縄は太平洋戦争以来今日に至るまで、米軍にとって常に「太平洋の要石」なのです。

中国のミサイル攻撃に対応するために、この地域にミサイル部隊を展開させる必要がありますが、新部隊の受け入れを迫られる地域住民の理解を得るのは容易ではありません。その点、沖縄は親米的日本の領土内にあり、日本政府がアメリカの軍事的要求を拒否する恐れは皆無だと考えられています。このような考え方で、沖縄が、そして日本が再び戦争の舞台になることがありませんように!沖縄について更に学び、伝え、祈りましょう!

[ 3 ] ラウダート・シ行動計画2年目が始まりました

目標2 貧しい人の叫びに聴く

私たちの日常生活でなかなか耳に入りにくい「貧しい人の叫び」に耳を傾けるため、シャローム新着書を何冊かご紹介します。是非手に取ってみてください。

借り出しご希望の方はシャローム委員会までご連絡ください(Srsドミニカ、ジョアンナ、ジュディス)。1回の借り出し期間は2週間とします。延長したい方は、一旦返却の上、再度借り出してください。

★★ 下記の参考図書【7冊】の解説を添付します。

❤「難民鎖国」❤「コロナ禍、貧困の記録 」❤「沖縄が日本を倒す日」

❤「毒になる親」 ❤「アラノンアダルトチルドレン」

❤「カトリック全国社会福祉セミナー講演録」

❤「何もいいことがなかった日の君へ」