1. HOME
  2. シスター ルース 森 の執筆記事

ニュース

投稿者: シスター ルース 森

ブルーベリー

シスター ルース 森

<ブルーベリー> 吉野弘の「祝婚歌」に、「正しいことを言うときには/ 少し控えめにするほうがいい/正しいことを言うときには/ 相手を傷つけやすいものだと/ 気付いているほうがいい」という言葉があるのに心が留まりました。 … 続きを読む

見えないものを見る

シスター ルース 森

見えないものを見る 金子みすずは童詩「星とたんぽぽ」に、「青いお空の底ふかく/ 海の小石のそのように/夜がくるまで沈んでる/ 昼のお星は眼にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ/ 見えぬけれどもあるんだよ」と歌っています。… 続きを読む

ヤマアラシ

シスター ルース 森

ヤマアラシ カナダにいたとき、冬枯れの河原の木の上に座っている見慣れない動物を見つけたことがあります。猿ぐらいの大きさです。一緒に歩いていた友人が「ポキュパイン」だと教えてくれました。じっと孤独に耐えているような姿が印象… 続きを読む

キリスト

シスター ルース 森

キリスト 暑い夏のことでした。私は北白川のバプテスト病院の玄関を出て、正門へ向かって斜面に作られた近道を下りて行きました。ふと見ると、途中の石垣に小さな男の子が寄りかかっています。私を見ると、「キリスト?」と聞きます。シ… 続きを読む

ギフト

シスター ルース 森

ギフト カナダで刷新プログラムに参加していたときのことでした。帰宅の途中、凍っている道で転んで、左手首を骨折してしまいました。ギブスをして、病院から帰ってきた私に、プログラムのディレクターのシスターが、「この骨折はあなた… 続きを読む

日に向かって

シスター ルース 森

日に向かって 最近、ご近所の方から1鉢の観葉植物を頂きました。廊下の窓辺が気に入ったらしく、さまざまな美しい形の切れ込みのある大きな葉を次々に広げて行きます。葉の表を屋内に向けておくと、いつの間にか、すべての葉の表が日の… 続きを読む

出会い

シスター ルース 森

出会い何年も前にバスの中で1人の友人に会いました。「コリアン・センターで韓国語のクラスが始まったので、一緒に習いましょう。」と、誘われて、すぐにテキストのコピーが送られてきました。 コリアン・センターでは1人の韓国人のシ… 続きを読む

花子と花男

シスター ルース 森

花子と花男 これは一羽の鶏の名前です。 何年か前、夏休みも近くなったある日、私たちの修道院に一羽の鶏の雛がやって来ました。小学校の孵卵器で孵って、貰われ残ったのでした。“花子”と名づけられたこの雛は、中庭の片隅に置いた小… 続きを読む

大きな命から

シスター ルース 森

大きな命から 私が住んでいる修道院の聖堂の祭壇の側に、背の高い十字架が置かれています。その足元に今、一鉢のデンドロビュームが美しい花を咲かせています。白い大きい花弁の端をほんのりとピンクに染めて咲くその姿は静寂そのもので… 続きを読む

木の葉

シスター ルース 森

木の葉 5月初め、私の住んでいる修道院の生垣のアカメモチがたくさんの鮮やかな葉を落としました。聞けば常緑樹はこのごろ葉を落とすのだとか。 「降りつづく雨にも負けず散り残る庭の公孫樹はよき風待つか」という短歌は、私の歌友の… 続きを読む