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誕生日 Part 2

シスタージョアンナ徐

誕生日 Part 2

朝の祈りをしている私たちの居間に、ワカメスープの匂いがプーンと漂ってきました。もうすぐ叔父・叔母そしていとこたちが祝いのためにやって来るのです。

今日は父の誕生日。 母は白いエプロンを着け、朝餉(あさげ)の準備中です。韓国では、誕生日は貧富の差を越え、ワカメスープを食べ、両親や家族のみんなに感謝する習慣があります。ワカメは栄養価が高く、妊産婦や授乳期にあるお母さん方が食べると良いとされています。また、子供の成長や健康を願ってワカメは食卓の主賓となります。友人たちも開口一番「ワカメスープを食べたの」と質問し、誕生日を祝ってくれます。

祖母亡き後、惣領息子である父が我が家のリーダーです。母は惣領嫁として家族の伝統を大切に守ってきました。私たち家族はそのような母が大好きで深く尊敬していました。嫁としての母の務めは多々あり、親戚や近所の人々にあたたかく接し、家族全体をまとめる大役を担っています。彼女は特に、祖母と父の誕生日を大事にしておりました。子供ながらにそれぞれに対する母の心遣いや配慮に感嘆し、それと同時に「大変だ」と思っていました。密かに母にエールを送りもしたものです。お正月や家族の大切な行事には、必ずみんなが本家に集まり互いの安否を気遣うのです。

我が家では、今も誕生日はとても大切にされています。大家族の一員として育った私たち兄弟姉妹はそれぞれの誕生日を心に留め、愛を分ちあい、電話やカードを送って感謝の気持ちを伝えあって来ました。母亡き後、惣領娘の姉が私たち弟妹一人ひとりの誕生日に赤飯やおはぎをつくり祝ってくれています。命を与えてくださった神と両親そして兄弟姉妹相互の絆が深まるのもこの誕生日に起因するのでしょう。

いつしか、「今日こそ神が造られた日、喜び歌え、この日をともに。」の詩篇を口ずさんでいました。