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ミルクウィード(milkweed)

シスター ルース 森

ミルクウィード(milkweed)
  今年8月、金祝の行事のために、アメリカ、セントルイスの修道院で2週間、すごしました。ある日、1人のアメリカ人の友人が、モナーク(Monarch)蝶のために、自分の家で育て、友人にも分けようとしているミルクウィードの苗床を見せてくれました。
  そして、思いがけなく、「バタフライハウス」でビデオをみる機会もあって、いつかテレビで見たメキシコの森林地帯の木々を覆っていた無数の蝶が、モナーク蝶(オオカバマダラ)だとしりました。オレンジ色の地に黒点をもつ、開帳10センチにもなる美しい北米原産の蝶で、4代目の個体だけが秋にメキシコへ大移動して、このように越冬し、春に戻って来て、北米に17種もある食草のミルクウィードに卵を産んで命を終えるという不思議な習性の蝶だとしりました。近年、草原がすくなくなり、この蝶の食草が減ったせいか、絶滅が危惧されているのです。
  帰国して、辞書から、ミルクウィードとは「ガガイモ」、茎をおると白い汁がでることから、この名があるとわかりました。若いころ通勤の道で、つる性の「ガガイモ」を見、実を摘んだことを思いだしました。サヤ状の実の中に絹糸のような糸がつまっていて、以前は印肉の素材として使われたと、私の絵の先生が話してくれたのでした。
  金祝のお祝いにいただいた来年のカレンダーの表紙のデザインが、ちょうど、種のついたこの「ガガイモ」の繊細な糸です。これからの1年、自然の奥深さ、自然と人との関わりの深さ、人と人との関係のなつかしさに心を留めたいと思います。