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こげたご飯

シスターメリー・パトリシア久野

小学3年生頃のことです。母が留守の時、何か手伝いをしたいと思い、ご飯を炊くことにしました。薪の火で炊くのです。薪の火でご飯を炊くのはむつかしいのですがなんとか炊けそうでした。火がついたのを見て安心した私は遊びに行きました。
ところが遊びに夢中になってご飯のことはすっかり忘れてしまいました。
思い出して帰るとちょうど母が戻ったところでした。
お釜のふたを取るとご飯は真黒に焦げ一番上まで、炭のように真黒に固まっていました。「ごめん」と泣きそうな声で言いました、
母は「せっかくしてくれたのにね」と言い、それ以上はなにも言いませんでした。
戦後まもない頃で食料も乏しい頃でした。

手伝いたい私の気持ちだけを受け止めてくれた優しい母を思い出すできごとです。
この母は今年の2月20日に98歳で亡くなりました。初めてのお盆をむかえます。