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ツマグロヒョウモンチョウ

シスター ルース 森

ツマグロヒョウモンチョウ
  私の住んでいる修道院の中庭で、植木の剪定をはじめた植木屋さんが、「ツマグロヒョウモンチョウの幼虫がたくさんいますよ」と、私に声をかけました。あざやかな濃いオレンジ色と黒の4センチぐらいの毛虫を手のひらにのせています。じつは、私も何日かまえに、落ち葉をはいていて、地面にいるのを見つけ、踏まないように、また、木から落ちてきて、服についたりしないように、木の下には行かないようにしたのだと言うと、彼は笑って、「保身のために、けばけばしい色をしているが、毒はなく、かわいいことに、スミレだけを食べるのでいつも地面にいて、木にのぼる必要がないのだ」と言いました。そして、ポケットからスマートフォンを取り出して、「スミレだけを食べるチョウ」と声をかけて、豹(ヒョウ)のような羽をした「ツマグロヒョウモンチョウ」を見せてくれました。
  何日かあと、ある集いでこの話をしたところ、若いお母さんたちがそれぞれスマートフォンを取り出して、それぞれの特徴をあげて、何種類かの蝶々を呼び出し、その場が楽しく盛りあがったのですが、幼虫を育てたことのある1人が、「菜っ葉がなくなったので、店で買ってきたものを与えたところ、もう育たなかった」という経験を話してくれました。
  研究も技術もすすみ、豊かな自然が身近になった現代、自然を大切にし、共存する責任も大きいのだと改めて感じたのでした。