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イチジク

シスターメリー・パトリシア久野

その方は思うところあって、、農作業をするグループの中で彼女なりに納得のいく方法で、キリストに従って行こうとして修道会を離れました。
時々会って話を聞いていましたが、ある時そこに、とてもおいしい種類のイチジクがあると聞き、思わずうらやましそうな声を出しました。
次に会った時、彼女は鉢に植えた30センチほどのイチジクの挿し木を持ってきてくれました。狭い庭に植えたところ150センチほどの高さになり2,3コの実をつけました。4月に今の修道院に引っ越してから、そのイチジクをここの庭に挿し木したいと思って一枝持ってきてもらいました。
ところがここの土地は掘っても掘っても石ころだらけで、挿し木には向いていないとわかりました。あきらめようかと思いましたがルカ福音書に出て来るいちじくの話を思い出しました。主人が実をつけないイチジクの木を切りすてるように園丁に言ったところ園丁は3年だけ猶予を下さい。いろいろ面倒を見ます3年たっても実をつけなければそのときは。は御主人の思うままにして下さいと、とイチジクの木のため執り成し、憐れみを願う話です。この話を思い出し、土が悪くても、体が不自由で私が水をやれなくても、水は天からのものだからと植えてみました。私は外に出られませんので唯雨の降る日を待っています。でももともと瓦礫の土地ですから雨が降っても水分を地中に蓄える力が弱いようで、見る間に、葉も枝も茶色になってしまいました。。ある人は枯れたと言います。
でも私は枯れたようだから抜いて捨てようという気にはならず時々窓を開けて眺めています。
聖書の中の、実のならないイチジクの木の話しを思い出し、生き返ってほしいなあと願いながら眺めています。
弱ってしまったものに、もう一度元気になってほしいのです。希望を託したいのです。

どういう事かなったのかは、後日お知らせします。