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責任

シスター ルース 森

責任
  先日の朝、私は北8のバスに乗っていました。乗客はまばらです。やがて、1人のおじいさんと兄弟らしい男の子たちが乗ってきました。6年生ぐらいのお兄ちゃんが4歳ぐらいの弟の手をしっかりとにぎっているようです。弟がいきおいよく前の席に走っていこうとすると、お兄ちゃんが弟に「もう連れてこないよ」と小さい声で言っているのが聞こえてきました。約束が成立したらしく、弟はおとなしくなって、私の隣の席にすわり、私にほほえみました。
  気に入った席が見つかったようで、2人は入口のすぐ後ろの席に、おじいさんの方に向かって座りました。「おじいちゃん、降りるところに来たら、教えるからね。」お兄ちゃんの元気な声が響きました。一息あって「返事は?」お兄ちゃんの明るい声です。思わず、私は吹き出しそうになりました。バス中の人々の顔にも笑みがあふれています。
  運転手さんのうしろの席に移ったお兄ちゃんが「ひざに座ればいいよ」というと、弟はおとなしくお兄ちゃんのひざに座ったり、つり革をもたせてもらったり、お兄ちゃんの足元に座ったりしています。やがて、おじいさんが2人の側に来て、皆一緒にバスを降りていきました。両親から頼まれたのでしょうか。自分の役割を元気にひきうけている少年の姿が、明るくこころに残りました。