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返品

シスター ルース 森

返品
  12月にはいって寒さが厳しくなり、電気毛布を敷きましたが、電気が来ません。長年 使って、壊れてしまったのでしょう。出かけた折に新しい電気毛布を買って帰りました。古い毛布のコードをコンセントから抜こうとしたところ、コードが差し込んでなかったのです。いろいろ考えた末、返品させてもらおうと考えました。お店に雑作をかけることに気が重く、また、買った物の返品をしたこともありません。「新しい経験をしてみよう」と自分を励ましながら、カウンターに申し出たところ、若い店員の方が笑顔で返品に応じてくれ、私はさわやかな気持ちになりました。
  修道院へ帰る道すがら、教会の事務室での1つの場面を思いだしました。大きな木の事務机をかこむ3,4人の1人が連れてきていた11ケ月の赤ちゃんが、床の上をはいはいしたり、よちよち歩いたりして遊んでいましたが、ふと気がつくと、大きな机の下の片方からもう1方の側へはいはいして出てくるのです。見ると、机の脚もとに渡してある木の棒の下を頭を横に向け、しなやかに体を動かしてくぐり抜けているのです。そして、3、4回もおなじことを繰り返して気が済んだように他の遊びをはじめました。
人は誰でも、前向きに取り組むことで、元気に生きてゆく力をもらうのでしょう。「神は自ら助くる者を助く」という古いことわざが浮かんできました。