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アスラン

シスター ルース 森

アスラン
  これは、C.S.ルイス(1898-1963、大学教授、評論家、作家)の空想児童文学「ナルニア国ものがたり」、第1巻「ライオンと魔女」に登場するライオンの名前です。
  先日、頭痛がひどいので、近所のお医者さまに電話し、休診の時間に、そして、約束の時間よりずっと早くついたのに、こころよく診ていただきました。私が、「左耳のうしろがズキンズキンと痛む」と、電話でいった言葉をくりかえすと、先生はすぐに、「それは寝かたが悪いんです。」といって、よい寝かた、座りかた、歩きかたを教えてくださり、究極の健康な姿勢だと言って、お相撲さんの四股を踏む姿までやって見せてくださいました。寝かたがよくなって私の頭痛はすっかりおさまったのです。
  その夜、シスターたちに「この先生を厳しいという人もいるけれど、心からの親切さが伝わってくるね」と、やや年をとられた威厳のあるお顔を思いだしながら話しているとき、むかし読んだアスランの顔がうかんできて、「ライオンと魔女」を読み返さずにはいられませんでした。
  本の冒頭に、ルイスは名づけ児のルーシィ・パンフィールドへ「ぼくはこのお話を君のために書いた。…この本が印刷され、製本されるころには君はもっと成長していることだろう。でもいつか君はさらに年を重ね、またおとぎ話を読むようになるだろう。」と書いています。 ルイスはおとぎ話の形で、キリストの救いを書いたのです。ルイスが言っているように、年を重ねた私の心にも、キリストの深い思いが痛いほど伝わってきました。頭痛が、お医者さま、アスラン、ルイス、キリストへとつながった不思議を思うのです。