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お客様をお送りする

シスタージョアンナ徐

最近、特に、家族や知人との別れがつらくなってきているのを感じます。一期一会の意味が心に染みる年齢となってきたためでしょうか。互いの安寧を祈らずにはおられません。

別れの時はいつでも、母が玄関先まで見送ってくれたことどもが走馬灯のように私の脳裏をよぎります。母は私たちが休暇を終え、帰路につく時は、私たちの好物を沢山準備してくれるのでした。それから私たちを玄関先まで送り出すのです。彼女は愛を込め、私たちが見えなくなるまで手を振り、祝福の仕草をするのです。その母の祝福を受け、たくさんの愛と希望そして勇気を携え帰路につきました。 

別れの少し前、私たちは家庭祭壇で互いの平和と健康を祈り、数日間滞在したことへの感謝を両親と兄弟姉妹に伝えます。母の温かい抱擁そのものが宝でした。見えなくなるまで手を振り見送ってくれた母の姿が今も忘れられません。彼女の祝福は何物にも代えがたい贈物でした。今も右手で私たちのために十字を切り笑顔で送り出してくれた母が恋しくなります。不思議なことに私たち兄弟姉妹は母を見倣い同じ仕草を互いの分かれに際しやっているのです。

修道院でお客様や卒業生、そして知人をお送りする時はいつでも、母がしたと同じように心から彼、彼女のために「無事に家路に着けますように」との祈りを込め、祝福の十字を切りお送りします。

聖書には「平和」についての箇所が無数に記されています。人類が切実に平和を希求する「今・この時」こそ、イエスの「安かれ」をいつも発信しなければと思います。