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栗拾い

シスター ルース 森

栗拾い
 私の住む修道院の近くに、栗の木が1本あるお宅があって、時折、道べにも栗の実と毬(イガ)が落ちているのを見かける季節になりました。私が田舎の祖母の家で過ごした1年の秋、栗拾いに行ったことがあります。秋になると、腰に籠びくを付けた野良着姿の女性たちが、笑いさざめきながら家の前を通ります。栗拾いに行くのです。私はついて行ってみることにしました。「どこの子かね」と彼女たちは囁きあっているようでしたが、私がついて行くままにしてくれました。
 栗山に着くと、人々はまず、布の袋の底の両端に栗を1つずつ入れて紐で縛り、手製のリュックサックを作ります。拾った栗で腰の籠びくがいっぱいなるとその袋に移すのです。栗の生り年だったようで、いくらもたたないうちに私の背の袋も大きな栗でいっぱいになりました。腰のびくもポケットもモンペの底にも入れて、もう入れるところがありません。私は帰ることにしました。
 帰る途中の山道で出会った男の子が私を村道まで送ってくれました。「どこでこんなにたくさんの栗を拾ったのか」と話している祖父母の声を遠くに聞きながら、私は早く寝入ってしまいました。のどかな秋の日の夢のような冒険の思い出です。