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雑巾作り

シスターメリー・パトリシア久野

あるシスターから雑巾を集めるように頼まれました。

それはそのシスターの知り合いの方が「東日本大震災」の被災者の方のため何かをしたいと考え、雑巾を送ることを思いついて、そのシスターに依頼の手紙を送られたからでした。

コミュニティで皆に話したところ、いろいろな品物が来ても困っていると報道されているから慎重にするようにとアドバイスを受けました。そのことをそのシスターに伝えたところ、しっかりとしたルートがあることなど詳しい説明がありました。実は頼まれた時いただいた手紙に、最初からきちんと説明してあったのですが、いい加減に読んでいたため見落していたのです。

そのことをコミュニティに伝え再度お願いすると、新しいタオルを持っている人が雑巾にとタオルを提供してくれました。

何にでも使える新しいタオルを被災者の方のため提供してくれた仲間の温かさを感じ、幸せな気持ちで、ミシンに向かいました。

元来、裁縫は苦手ですので、何度も糸が切れたり絡まったりして10数枚の雑巾を作るのに2時間以上かかりました。やれやれできた、とほっとしたとき気づきました。

私は電動ミシンで縫っていたのです。早くて、楽だからと。
原発・原発と気にしていてもそのために時間をかけて手で縫うことは考えなかったのです。       祈りながら手で縫うことは考えましたが、肩が凝る、手が痛い、時間がかかると考えて電動ミシンを使ったのです。   エネルギーのことは全く考えなかったのです。
エネルギーの使い方を変えるとはこういうことから変えなくてはならない。時間がかかり、手が痛くなり、肩が凝ることを受け入れていくことから始まるのだと思いました。

出来たばかりの10数枚の雑巾を手に部屋に戻ると部屋の前に、誰かが置いたピンク色の新しいタオルがありました。

その一枚だけは手で縫いました。