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ナイチンゲール と うぐいす

シスターメリー・パトリシア久野

短期間アメリカに滞在したことがあります。

ある夏の真夜中、闇をつんざくように、リリリリリーと鋭く、美しい声で鳴く鳥の声を耳にしました。
最初は美しいと思っていたのですが、真夜中のことですし、いつまでも高音で鳴くのでだんだんうるさく感じるようになりました。時計を見ると、0時から1時、2時頃が多かったように思います。

鳥の名前は、ナイチンゲールということでした。その名前は翻訳物の作品で馴染みがありました。「小夜啼鳥」として、「注」に、「日本には居ない。夜中に美しい声で鳴く‥‥云々」と書いてあることもありましたが。「鶯」として、横に、ナイチンゲールとルビが振ってあることもありました。

美しい鳴き声、日本の生活の中での理解ということで、「鶯」としたのでしょうが、鳴いている状況、雰囲気などは全く異なります。

自分の知識の中だけで物事を理解しようとするのか、未知の世界に窓を開けようとするのかの違いが、ナイチンゲールの紹介の仕方に現れているように思いました。

早春の喜びの中で優しく、のんびりした鶯の声を聞くたびに、真夜中に、鋭く闇を突き刺すようなナイチンゲールの声を思い出します。

その声は既存の知識と理解の枠の中に納まり、安住しようとする者に鋭い警告を発しているようにも聞こえるのです。