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シスター ルース 森

初めてボルティモアへ行ったとき、5階の私の部屋に落ち着いて、友人に手紙を書いたときのことです。「私の部屋は広く、天井は高く、壁は白く、窓は……小さい」と書こうとして、私はふと窓の方を見ました。窓は天井まで高く伸びていて大きいのです。私がブラインドを下ろしたままにしていたのです。ブラインドを上げると、緑の木々の間に、美しい家々が点在する豊かな大自然が広がっていました。「これまで私は、動かないと思い込んで、多くのことを自分で動かさないで来たのではないかしら」と思いました。このことは私にとって、ひとつの転機になりました。
 最近、ある勉強会で指導者が、「今晩の月はどんな月でしょうね。」と尋ねました。私は2,3日前に見た月を思いだして、「三日月です。」と答えました。指導者は笑って、「月はいつも満月ですよ。」と言いました。地球の影が映って、月が欠けて見えるだけなのに、実際に月が欠けているような心象を持っている自分に気づきました。
 心の窓をいっぱいに開いて、深く豊かな本当の姿をいつも見つけたいと改めて願ったのでした。