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イースターのパン

シスター ルース 森

イースターのパン

  復活祭の日の朝食のパンを買いに、京都駅につづく伊勢丹デパートへいきました。目当てのパンが棚にないので、パンをならべている店員さんに尋ねたところ、彼女はガラス戸の奥でパンを焼いている職人さんのところへ行って尋ねてくれたのですが、そのパンは午後1時過ぎにならないと焼きあがらないとのことでした。幸い時間に余裕があったので、代わりのものを探そうと店内の棚をていねいに見て回ったのですが、適当なものがありません。目当てのパンが焼きあがるのを待つしかないと思い、ちょうど近くにいた店員さんに出来上がりの時間を確かめたところ、彼女は「そのパンならありますよ」と言って、奥から私の目当ての大きなパンを持って出て、カウンターの後ろで私に掲げて見せながら、「これですよね」と目顔で合図してくれ、すぐにカウンターの店員さんがそれをていねいに包装してくれたのです。正午近く大きなパンをかかえて地下鉄の座席に座って修道院へ帰りながら、私は心から幸せを感じている自分に気が付きました。

  早朝から人々の「日々の糧」のパンを焼いて、優しくお客を迎え、送り出すパン屋さんの雰囲気から、私は復活されたイエスさまがガリレア湖の岸辺で朝食を用意して、漁から帰って来た弟子たちを喜ばせて下さったことを思っていました。そして、私もその弟子たちの中にいて同じ喜びに浸っているように感じていたのです。