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「私がつれて行ってあげましょう」

シスター ルース 森

「私がつれて行ってあげましょう」

中3のとき、母の病気のために家族で引っ越しをし、私が新しい学校に転入して間もなく、塚田先生の送別式がありました。式のあと、教室に来られた先生に、新しい友だちの一人が私をさして、「この人も教会に行きたいそうですよ。」と、いうと、先生はすぐに「私がつれて行ってあげましょう。」といわれ、2つ向こうの駅の近くにあるカトリック教会へ案内してくださったのです。今思えば、この教会はできて間もなく、大人も子供もわけへだてなく活動する活気あふれる教会でした。塚田先生は控えめな方でしたが、暖かさと芯の強さ、そして、深い信仰と心の平和が中学生の私にも伝わってきました。早朝のミサの後すぐ出勤するために持ってこられる朝食のサンドイッチを私は遠慮もなくご馳走になったのです。そして、高2の時、先生に代母になっていただいて洗礼の恵みをいただき、何年か後には、先生とおなじカトリック校の教師となり、毎朝おなじ汽車で通勤したのでした。

つい最近、思いがけなく、この教会のパンフレットから、先生が定年まで36年間この学校で教え、70才になって、レデンプトール修道会に入り、シスターとして2014年に86歳で亡くなったと知りました。よき教師として、修道女として、一筋に信仰を生きた先生のお姿にふかく心をうたれました。私の信仰の土台を作ってくださった先生は、今も私のために祈り、私をやさしく励まして下さっているように感じるのです。