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セッコク

シスター ルース 森

セッコク

  5月も終わりのこの日、私は早朝、目がさめて、ラジオのスイッチをいれたのです。すると、インタビューを受けているらしい女性の声が聞こえてきました。オセンティック・ボイス(authentic voice)というのでしょうか、落ち着いた何とも言えない心をひかれる声でした。彼女は33才のイラン人、7歳の時に日本に来て、孤児院で育てられ、養女となり、芸能界にはいり、研鑽をかさねるかたわら、児童養護施設の子供たちとかかわり、自分が人との出会いによって生かされてきたように、施設の子供たちにも自分の将来に希望を持ってもらいたいと活動している人だとわかりました。

  コロナウイルスのために、外出自粛、人との間に距離をとること、そして、誰もが先行きに不安をかんじている今のような時、私たちは、人にとって何が大切なのか、必要なのか、自分に今何ができるのかを考えるようになるのでしょう。新聞にもラジオやテレビにも、人の心のやさしさ、思いやり、助け合い、アイディア、感謝、励ましなどの記事やニュースが多くなっているように思います。

  セッコクは東北以南の山の中の樹木や岩の上に、細かい根でしっかりと着生し、ほのかに香る白や淡いピンクの花を晩春から初夏にかけて咲かせる蘭(ラン)で、種類も形も変化に富むとのこと。アナウンサーがこのインタビューの結びのように、「今日5月29日の誕生日の花はセッコク、花言葉は『私を力づける』です。」と言ったのが心にのこりました。